2023年7月16日鑑賞会
2023年7月16日、日本美術刀剣保存協会大分支部は、中原信夫先生を講師としてお招きし、刀剣鑑賞会を開催いたしました。鑑賞会に使用した1-5号刀を中原先生の解説ビデオ付きで紹介いたします。
1号刀解説
- 銘文:肥前国忠行
- 形態:短刀
- 刃文:直刃、帽子の返り先がギリッと締まっている。
- 備考:8代忠吉の弟子・幕末~明治初期辺りの作品、銘の鏨跡がまだ錆びきっていない。
2号刀解説
- 銘文:肥前国忠吉(初代)
- 形態:短刀
- 刃文:一番低い谷の部分の匂口が深くなっている、帯状の匂口
- 備考:写し物・肥前刀で柾目があるのは五字忠吉のみ
3号刀解説
- 銘文:表:相州住廣正 同文 裏:文安二二年十一月日
- 形態:脇差、冠落とし造
- 刃文:皆焼
- 備考:彫り同作と切った銘では最古のもの、差表は派手・差裏は控えめ
4号刀解説
- 銘文:備前長船祐光
- 形態:脇差
- 特徴:映り有り(備前の映りは下から上まで途切れる事無く現れる)
- 備考:寛正備前期の作 茎が短い=片手打ち用
5号刀解説
- 銘文:雲州仁田郡住忠貞
- 形態:刀
- 特徴:棟焼け有り(日本海側・地方の刀工に多い)
- 備考:磨り上げ有り(日清・日露戦争時にサーベル軍刀用に仕立て上げたと推測できる)
参加された皆様、お疲れ様でした。中原先生、大変ありがとうございました。