2023年1月21日鑑賞会

2023年1月21日、日本美術刀剣保存協会大分支部は、中原信夫先生を講師としてお招きし、刀剣鑑賞会を開催いたしました。鑑賞会に使用した1-3号刀を中原先生の解説ビデオ付きで紹介いたします。

1号刀解説

  • 銘文:長州住左衛門尉顕国(さえもんのじょうあきくに) 裏:應永三十二年八月日
  • 形態:脇差(古い太刀を短くしたような格好) 踏ん張りがある 生茎
  • 刃文:幅の狭い直刃 
  • 備考:柾目のような流れた肌 映り有り 細直刃を焼くのは地方作
※先生は應永(応永)二十二年と説明していますが、正しくは三十二年です。

2号刀解説

  • 銘文:筑前住源信国吉政
  • 形態:脇差 踏ん張りがある 生茎
  • 刃文:帽子は片面乱れ、片面直刃
  • 備考:新刀だが映り有り 焼き出しがある(古刀ではない) 作風は筑前信国と見る所が1つもない、むしろ石堂。

3号刀解説

  • 銘文:正恒
  • 形態:刀 踏ん張りが抜ける 摺上げだが在銘
  • 刃文:摺上げ時に熱を加えた為、刃区から1寸ほどの刃文の匂口がふわっとしている
  • 備考:重要美術品(昭和11年指定) 古備前は乱れ映りが無い(正恒、友成は映りを確認していない) ただし、地斑映り有り

参考 匂口による時代鑑定

参加された皆様、お疲れ様でした。中原先生、大変ありがとうございました。